
伝統の技術の上に成り立つ新技術
シミを抜く為の機器や薬品も昔にくらべれば、格段に進歩してきました。しかしながら、それらを扱えるのは、旧式の手作業によって合否を下される国家技能検定試験に合格し長い年月にわたる経験を持った技術者によってこそ、実力を発揮できるものなのです。なぜなら、和服は表面が非常にデリケートなものが多く、機械だのみで対処すると必ずスレが出てしまいます。また、シミを取るために生地の地色が抜けてしまう場合もあり、元の色に復元するのは、相変わらず職人の経験と個人の能力によるからです。
手先と最新機器
薬品を使って染み抜き作業をする事も良くありますが、薬品の特性であるpHや、またその強度を熟知したうえで使用し、薬品を中和し十分に水で洗浄するという当たり前の事が一番大切です。その作業の効率を上げるためにも最新の機器を取り入れる事、伝統の技術と高性能な機器のコラボが必要です。
現代は、生地の染め加工技術や染料もどんどん開発され、シミの原因となる食料品や化粧品などが多様化しているため、手先の技術に加えて、シミの鑑別プラス適切な処置という新たな技術が要求されています。
染み抜き作業の実際
基本的な作業工程とは
ここで、最も基本的な染み抜き作業を見ていきましょう。
この例では、着物の襟に付いた「ファンデーション」と「汗」による、汚れを取り去る様子をご覧いただけます。番号①~⑨の工程で①が初めの状態、⑨が染み抜き完了です。画像をクリックすると拡大画像が表示されます。
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着物の襟に付いた染みですね。この部分ではファンデーションと汗の混ざった染みが付きます。 |
同じ部分を拡大しました。染みの様子がよくわかります。 |
初めに「揮発油」を均一に吹きかけます。 | ||||||||
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すばやくブラシを使って汚れを抜いていきます。 |
上からドライヤー、下から吸引機を使ってすばやく乾燥します。大体はこの作業の繰り返しで染みを抜くことができます。 |
まだ残っている汚れを別の薬品を使って抜いていきます。きれいな水を細かな霧状にして強くかけます。 | ||||||||
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同じくきれいな水を霧状に強く吹きかけます。 |
上からのドライヤーと下からの吸引機ですばやく乾燥します。 |
⑥からの作業を必要最低限に繰り返し、染み抜き作業を完了します。 | ||||||||
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